GrasPP試験における面接について
筆記試験の合格発表が出ているようですね。
今回は恐らく不安でいっぱいであろう面接について述べていきます。
恐らく基本的なことは皆さんに通知されていることと思われますが、
一応私の年では、
・3人の教授と1人の受験者
・1人30分程度
・コース別で面接する部屋が異なる
というものでした。
院生同士の雑談のなかで得た新情報としては、
・3人の教授はローテーションで面接を担当している
ということです。
これは
・研究科のように、特定の教授の論文を読んでおく必要があるのかな?
という疑問が生じるかもしれません。
結論を述べておくと「絶対何かしら読んでおいた方がいい」と言えます。
以下では、面接の詳細とその対策についてまとめます。
面接の詳細
基本的な進め方は、
1人ずつ集合し、待機、呼び出されて着席し、質問に答えていくというものです。
導入では学習計画書に書いてある内容から質問を受けます。そこから何か気になることがあれば突っ込んで聞かれるというような形式です。
就活をしていた方にとってはわかりやすいかと思われますが、ESをもとにした想定質問について練り、答えを用意しておく必要があります。
そのため、こうした広く呼び掛けるタイプのメディアで個人の想定質問をまとめていくというのは的外れなアドバイスになりかねません。
そうした前提を踏まえて、以下の私の想定質問集を見ながら
「自分の学習計画書ならどこを突っ込まれそうかな」
とじっくり見直してみてください。
想定質問
・大学院に進学を希望する理由
・学部の卒業論文テーマについて
・大学院で学びたいこと、取りたい講義、プログラム
・STIGに関心を持ったきっかけ
・その講義やプログラムを通じてどのようなキャリアに進みたいか
・公務員になりたいのはなぜ
・今年の総合職試験は受けたか
・大学院では公務員試験対策はやらないが大丈夫か
・なぜ経済政策や科学技術政策に関心を持ったのか
・何が解決すべき課題であると認識しているか
・TOEFLの点数について
・大学での留学の経験と、大学院での留学についての志望
どのような返答が好印象か
上記の質問は基本的なものですが、やはりその人の人となりは30分話すだけで何となくわかるものですので、できるだけ賢そうに話すことを意識していました...(あまり賢くないため)
一方で、M1の方々の特徴を見るに以下のような学生が通りやすい傾向にあるなと考えます。
・東大の内部生
基礎的な学力が担保されているので当然なのですが、TOEFLが振るわない(70点あるかないか)くらいの方でも返答次第では結構すんなり通ったという話を聞いたことがあります。しかし皆さん流石学部から入学されたこともあって経済政策ではコアコースの成績が優秀な方が多いです...
筆記の方が重要視されているのかもしれませんし、単純にゼミなどで公共政策の先生方とお話しする機会があると思うので、有利なのは当然という印象です。
・留学経験者
長期の留学経験者も半分くらいいらっしゃる印象です。
GrasPPのなかは最近かなり国際色が豊かになってきており、留学生と交流を積極的に深めていける、また深めてきた学生をGrasPP側としても欲しているんじゃないかと考えています。
そうした経験はTOEFLの点数に裏打ちされていると思うので、まぁこちらも当然と言えば当然ですね...
・アカデミックな議論になれている学生
これは冒頭の研究論文を読んでおいた方がいいという話の詳細になりますが
面接をするのはあくまで「教授」であり、企業の人事部の方ではありません。
そのため、研究畑の方ときちんとディスカッションできるような素地を見せる受け答えが好ましい印象を与えると考えています。
GrasPPの教員一覧より、自分の関心と最も近い教授の論文を読んで置き、それについて学部の指導教官ならびに講義で質問ディスカッションを深めながら、自分の考えを醸成しておくべきです。
もちろん、こうしたものは一朝一夕で身につくものではなく、今更記事にまとめるほどでもないことは承知なのですが、やっておかないよりはやっておいた方がいいのはお分かりいただけるかと思います。
そこで例えば試験科目にない計量経済学や統計学の手法について意見を述べることなどができれば、きちんと勉強してきている印象を与えることができるのではないかと考えています。
以上です。
※都合があえば、本郷キャンパス内あるいはオンラインなどで面接練習を承ることも可能です。コメント欄にてその旨、アドレスなどを付記してご連絡いただけると順次ご対応できるかと思われます。(要望が多いと厳しいかもしれませんが)
マクロ経済学について
今回はマクロ経済学についての記事です.
個人的には、世界の景気動向や政治動向について明確な分析手法になりうるという点でマクロ経済学の方が好きです.
ただ一方で,問題関心がどこにあるのか,どのように数理ツールを用いて分析を進めていくのかという観点については、初学者の方にはかなりとっつきづらい箇所であることも事実です.
今回はそうしたマクロ経済学の対策について述べていきます.
再度注意書きですが,
本参考書リストはあくまで公共政策大学院や公務員試験を検討されている方向けのものであり、研究者およびエコノミストを志されている方にとっては易しすぎるものとなります。あらかじめご了承ください.
今回の記事執筆にあたっても、同期OBOGの意見を参考にさせていただきました.
院試対策に必要な基本参考書について
超初級編:「マクロ?でかそう」みたいな感想をお持ちの方
ミクロ経済学の記事でも述べたように,まず最初は薄い本で概要をつかむことをお勧めします.
初級者向けにと言いながらマンキューを進める方もいらっしゃるようなのですが,実際に独力であれをしっかり理解しながら読み通せるか、個人的には疑問です.
(もちろん素晴らしくわかりやすい書籍なのですが...)
マクロ経済学 -- 入門の「一歩前」から応用まで (有斐閣ストゥディア)
- 作者: 平口良司,稲葉大
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2015/10/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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入門にお勧めの教科書です.有斐閣ストゥディアの社会科学シリーズは良著が多いイメージです.
アマゾンレビューにも記載されていますが,高校の政経の科目の延長線上のような形からスタートします.
”応用まで”と名のついている通り,中級的な内容にも一部踏み込んでいることや,初学者として初めてマクロ経済学に取り組むということも考えると,
こうした入門書の記述を一言一句理解するというよりも,
「何を」「どうやって」「何のために」分析を進めていくのか
をある程度頭に入れておくことが大事かなと感じます.
こちらの書籍も同様で,「犬本」と呼ばれていました.(通称なのかどうかはわかりません)
上述したように,こうした書籍に触れる中では必ず「理解しがたいもの」が登場します.独力で各書籍を調べつつ...というのももちろん力にはなるのですが,
大体序盤で躓くところは語義解釈や,細かい論点など大事なところじゃなかったりします.そのため,学部生の方はTAさんに質問してみたり,教授のオフィスアワーに質問しに行ってみるのもいいかもしれないです.
質問の仕方も大事になってくるので一応参考程度に私のケースを記載しておくと,
・躓いている箇所の特定
・なぜ当該箇所が重要と考えているのか
・自分なりの当該箇所の解釈
・当該概念・理論が理解できるとうれしいこととは何か
について意識しながら質問をしていました.
このことによって,より生産的に質問が進められると思われますので,
オフィスアワーに質問しに行こうかと考えている学生は,研究者の時間を無駄に奪わないように,上記のことを意識するべきと考えます.
初級編:マクロ経済はどうやらミクロのそれと様子が違うぞと気づき始めた方
初級編とは銘打っていますが,基本的に公共政策大学院で必要になってくる知識レベルの7割はこちらでカバーできます.
実際に同期の中でも,下記の中谷マクロ・福田マクロしか使用していない学生もおりました.
当初は公務員試験の問題集を掲載しようかと考えたのですが,そうした問題集を理解しながら効果的に進めていくうえでも,中谷マクロ・福田マクロが最も効果的と考えます.
恐らくGrasPP同期のほとんどが対策に用いていたと思われる中谷マクロです.
公務員試験に不安がある方でも,こちらの書籍を一読しておくことをお勧めします.
図書館にも何冊も所蔵されていたため,かなり需要があると勝手に見込んでいます.
同期OBOGが愛用していたことからもわかる通り,教科書・参考書としての完成度が非常に高いです.
理論が述べられた後に演習問題がT/F形式と記述形式でついており,さらに演習書ではよく問われる計算問題まで含まれています.
超初級編においては一言一句理解する必要はないと述べましたが,本書に限っては一言一句理解するように努めることが重要です.
本書は中谷マクロと比較すると分量は少なめであるものの,中谷マクロで理解しておくべきエッセンスが凝縮されています.
直前期に知識の穴埋めをしたいと思って通読したのですが,2時間ほどで読み通せる文量でありながら,あまりの充実度に驚いたのを今でも覚えています.
こちらにも演習書はあり,活用することで合格に近づくことはできると思うのですが,やはりそれでも中谷マクロは一読しておく必要はあるんじゃないかなと個人的に感じています.
公共政策大学院の経済学で求められるレベルはここまでで大部分を網羅できますが,きちんと胸を張って「使いつぶした」と言えるようになるまで咀嚼しきってください!
国家公務員試験総合職を受験される場合も,本書+予備校のテキストなどで十二分に対策が可能と思われます.
中級編:一応通読したけど,なんか簡単すぎないか?と感じられている方
マクロ経済学 新版 (New Liberal Arts Selection)
- 作者: 齊藤誠,岩本康志,太田聰一,柴田章久
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 2016/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これら三つの書籍はすべて完成度としては最高のものなのではと個人的に考えています.まず中谷・福田マクロで基本を押さえた後,マクロ経済理論をより厳密に数理的に裏付けしているものが以上の3つになります.
中谷・福田マクロを通読し終えて物足りない方は上記の書籍で理論の学習および演習を積むと試験本番でかなり自信が持てるのではないかと考えます.
NLAと二神マクロは,動学マクロ経済学にも言及されているため,大学院に入学してからもたびたび参照する機会がありました.
もし時間があれば,これらの書籍に目を通しておくのもお勧めします.
(本原稿を読んだ同期より,「最近は難しくなっているからここのあたりの書籍も結構しっかり演習積んでおくべきでは?」とのアドバイスを受けました.また最新年度過去問を調査したのちに追記いたします.)
上級編:追記予定
Advanced Macroeconomics (Mcgraw-hill Economics)
- 作者: David Romer
- 出版社/メーカー: McGraw-Hill Education
- 発売日: 2018/02/19
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- 作者: デビッドローマー,堀雅博,岩成博夫,南條隆
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2010/03/19
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ミクロ経済学について
今回から2週にわけて経済学の学習について記述します。
※少し立て込んでおり記事更新が遅れたことをお詫びいたします。
自己紹介の記事でも紹介したように、私自身のバックグラウンドとしては
・非社会科学系、非経済学部であること
・数学の基本的な知識は高校数学ⅡBだが、得意な方ではなかった
というものです。
それを踏まえて、あくまで公共政策大学院の院試に必要なだけの知識を得るのに十分なミクロ経済学の参考書について記述します。
本記事執筆にあたっては、同期及びOBOGからの意見をもとにしています。
また、参考書を終えるのに必要時間などについては記載していません。理解度やスケジュールについては個々人に依るものが大きいためです。自身の理解度スケジュールと合わせてご判断ください。
院試対策に必要な基本参考書について
超初級編:まず学部1年生レベルの知識からスタートしたいという方
持論として、新しい分野に入門する際には
- どのような学問を学ぶにしてもプライドや見栄を捨てる
- 学びたい学問の全体像をとらえるために、初学者用の薄いものを選ぶ
- わかりにくい箇所があれば、他書籍の説明も参照してみる
ことが重要だと考えています。
ヒヤリングでは、経済学部の方や理系の方にとってこれらの書籍は少し易しすぎると感じられたようですが、
後述する神取ミクロから入門し、全体の範囲を終えられないまま落ちてしまった人の話もあるので、下記の書籍である程度全体像を把握しておくことが大事かなと考えます。
本書は高校在学から読み進めることができます。
経済学がどういう問題意識から数学を分析ツールとして用い始めたのか、
そこで用いられているツールにはどのようなバリエーションがあるのかについて全体像をつかむことができます。
経済学やりたいけれど数学について少し不安が残る方におすすめです。
こちらはもう少し、ミクロ経済学がやっていることの内容をざっとつかみたい方向けです。
中級編でもご紹介させていただく奥野先生が執筆されておられるため、内容が大変わかりやすいこともさることながら、そのまま中級編のミクロ経済学に接続できる優れものです。
本書は公務員試験のために経済学を学ぼうとする方が最初に手を伸ばすべき書籍です。初心者にありがちな勘違いなどについて易しく導き、ミクロ経済学の全体像と初等的な計算方法についての練習を重ねることができます。
経済学との相性を見極めるうえで本書に取り組むのは最善なんじゃないかと考えています。
※私自身が使用していたのは前の版でしたが、検索してみると第2版が予約開始になっていました。前の版はいかにも初心者向きという感じで恥ずかしかったのですが、今は割と恥ずかしくない表紙ですね...
初級編:どうやらミクロ経済は計算が大事になってくるっぽいぞと感じられ始めた方
これらの書籍は、超初級編においてミクロ経済学の全体像をつかんだ後、各論における計算問題を解く感覚を得るのに最適と思われます。
公務員試験のための本が多く、公務員試験独特の問題なんかも含まれているようですが、「ミクロ経済学ではどういう操作をして何を求めたいのか」についての雑感を得られます。
公務員試験対策にもなるため、目を通しておいて損はないと思われます。
余談ですが、法学系の論述問題と異なり、経済学の試験では数値計算が主になってくるために、見直しや自己採点がしやすいという特徴があります。そのため、試験対策がしやすく、試験を受けるうえでは(数学にアレルギーがあっても)おすすめです。
実際に筆者もこのような不純(?)な動機から経済学で受験することを決定しました。
試験対応 らくらくミクロ・マクロ経済学入門(計算問題編) (らくらく経済学入門シリーズ)
- 作者: 茂木喜久雄
- 出版社/メーカー: 週刊住宅新聞社
- 発売日: 2006/04/24
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中級編:ミクロ経済学の標準的な教科書で演習を重ねたい方
超初級編・初級編と重ねてきて、中級編をご紹介するのですが、この難易度について思うところを述べておきます。
ミクロ経済学の難易度ってなんなんだ?と疑問に思ったことがあります。学部と院でやる範囲は多少広くなることもあれど、
消費者理論、企業理論、市場均衡、ゲーム理論
など、あまり変わらないのです。
では何が難しくなるのかと申しますと、主観ですが、「数理的厳密さ」にあると感じています。
私が実際にミクロを学んでいたときには、超初級編や初級編での理解は、数理的厳密さに裏付けられていないように感じました。
なんとな~く効用関数というものが登場し、なんとな~く微分して0とおいてpを導出するような、理論というよりもプロセスを習得するような問題を超初級・初級編で解くことになります。
これはいい加減だということではなく、直感的な理解(つまりわかりやすさ)を優先しているが故の状況なのですが、実際に社会問題を分析するにあたっては厳密な数学的裏付は必要になってきますので、下記の書籍をしっかり咀嚼しながら進めていってみてください。
※私はこの段階で躓きました。高校以来まったく数式に触れていなかった私にとって、ラグランジュの未定乗数法などの術語や、数式操作による定理の導出はあまり親しみがなく、面食らった覚えがあります。私と同じように、数式になじみがない方々は覚悟をもって、ゆっくり一行一行を理解しながらすすめていくことをお勧めします。
神取ミクロについては私が言及するまでもなく、多くの研究者や大学生のブログでも紹介されておりますため、そちらを参照いただくのもいいかと思われるのですが、ここでは私が感じた本書の革新的なところについてご紹介します。
超初級・初級における計算はどのようなものがあったでしょうか?
効用関数と予算制約式からラグランジュの未定乗数法で...
企業の利潤最大化問題を組んで....独占・寡占の場合は...
余剰分析を行って...課税された場合の余剰は...
つまらないとは言いませんが、
(現実の社会問題を分析するのに経済学、とくにミクロが役に立つと聞いているけれど計算ばかりであまり現実味がないな...)
と感じられた方がほとんどだと思います。
そうした問題意識のもとに本書に取り組むと目からうろこの連続であると同時に、自分自身の知識の再確認にもなります。
ぜひ「力と技」の両方に取り組まれ、ミクロ経済学の面白さを感じていただきたいと思います。
ただし、本書は公務員試験のような込み入った経済学の問題を処理するには少し演習量が不足しています。
実践的な問題を分析する面白さはあるのですが、とはいえ試験問題に対しても取り組まなければいけないのがつらいところです。
そこで次の書籍・演習書を紹介します。
院試に関するヒヤリングでGrasPP生の人気が最も高かったのがこの奥野ミクロでした。
私自身もこの本の内容と過去問を直前期にこなし、7割程度の得点ができておりますし、友人たちも「公共の院試レベルなら奥野ミクロができていれば大丈夫」と感想を述べていました。
ですので、公共政策大学院を目指される方々は奥野ミクロの問題を目標として学習を重ねていくといいと思います。
また、1年ほど前に奥野ミクロの演習書の新版が出版されておりましたので、併せてリンクを記載します。書籍部で見かけたのですが、かなり大幅なボリュームアップがなされており、直前期に手を付けると爆死しそうだな...と感じました。
ある程度時間に余裕を持ち、奥野ミクロをしっかりと咀嚼しながら読み進める一方で、
社会問題への応用のされかたや奥野ミクロでは納得しきれなかったところについて、神取ミクロを参照するというような対策の仕方がいいのではないかなと考えます。
上記の中級教科書・参考書を解き終わり、時間に余裕がありなおかつ多様な問題に触れたい方はこの書籍をお勧めします。
恐らく大学図書館に所蔵されていると思われるので、一度中身を見てみて、手を付けるべきかどうか判断してみてください。
個人的には典型問題以外の問題に触れることで、
ほとんどプロセスを覚えて解いていた問題を別角度から考察し、理解を深めるいいきっかけになりましたし、
この演習書を解いた後に奥野ミクロや神取ミクロを眺めるとまた違った発見があるかもしれません。
ちなみに、本書の著者は東京にて院試対策の予備校を主催されているようです。
合格実績としても非常に素晴らしく、
院試に予備校使うのはどうかなぁ...と思っていたとしても、合格基準の情報など、ネットに記載されていない情報もあるかと思われますので、
もし不安な方がいらっしゃいましたら検討してみるのもいいかもしれません。
上級編:大学院で用いる教科書など
- 作者: Hal R. Varian
- 出版社/メーカー: W W Norton & Co Inc
- 発売日: 1992/02/01
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上記の二つの書籍は大学院で用いました。
当初はVarianのみで進めていたのですが、少々数学的にテクニカルな述語が出てきた際にその語義解釈に躓いてしまうことがしばしばありました。
行列表記や位相、ヤコビアンなど、大学数学をしっかりと積み重ねてきていない私にとっては慣れ親しみにくいものが数多くありましたので、日本語のサポートのために「現代ミクロ経済学 中級コース」を併用しました。
個人的な感想としては、大学院に合格した後にこれらの書籍をやっておくとコースワークがぐっと楽になると思います。
コアコースもなかなか苦労される方が多い印象ではありますが、
あくまで公共政策大学院のコアコースのため、経済研究科ほど厳密にやらなくても大丈夫と自分自身に言い聞かせながら努力を重ねてください。
Microeconomic Theory: Basic Principles and Extensions
- 作者: Walter Nicholson,Christopher Snyder
- 出版社/メーカー: South-Western Pub
- 発売日: 2016/09/13
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現在のコアコースは上記のもので進められているようです。
Varianよりもわかりやすいとのことでしたので、また中身をみてとっつきやすそうかどうかを判断するといいと思います。
出版年が新しく、内容も平易かつ大学院レベルはキチンとおさえている書籍のため、個人的には1年生のコアコースでこれを使いたかったな...と感じています。
- 作者: Geoffrey A. Jehle,Philip J. Reny
- 出版社/メーカー: Prentice Hall
- 発売日: 2011/04/20
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最も難しかったコアコースの都市はMWGと上記のものを使用していたそうです。
あまりに難しく設定しすぎてコアコースを落とす人が続出してしまったため、翌年よりWalter Nicholson著のものに変更になったとのことです。
経済研究科も併せて検討されている方はまた目を通しておくといいかもしれません。
以上です。
GrasPPの就職状況
今回は東京大学公共政策教育部の就職事情についてです。
かなり気になる事項ではあるものの、いくつかの関連ブログを回っても欲しい情報がなかったため、記事として執筆することにしました。
大まかな状況について
2018年度の修了者概況より、具体的な企業名も把握できるようになっています。
GrasPPの修了生の例年の動向は以下の通りです。
・官公庁(地方も含め):3割から4割程度
・金融 or コンサル業界(シンクタンクも含め):3割から4割程度
・IT業界関係:2割程度
・商社・エネルギー業界:1割未満
という形になっています。
やはり官公庁就職の割合は東大の中でもダントツに高く、
2017年度大学院修了者の就職先としては法学政治学研究科は10%ほどなのに対して、
おおよそ25%もあったそうです。
もちろん、もともと官公庁を目指す人々が入学されるところでもあるので当然ではあるのですが、
授業内容についても官公庁の実務家の方々から教わることも、一緒にプロジェクトを進めることも多く、さらに官庁訪問の面接のノウハウについてもゆるやかに出回っていたりするので、そうした側面も寄与していると思われます。
特に国家公務員を目指されている方々、特に官公庁にそのまま行くよりももう少し政治経済法の学習を深めたいと考えていらっしゃる方にとっては理想的な環境といえます。
2017年度修了者について
私自身は2017年度入学であまり詳細を知るところではないのですが、
友人へのヒヤリングおよび情報提供などもあり、以下の状況になっていたようでした。
※上記の情報はあくまで筆者の周囲からのヒヤリングに基づいているため、修了者数と大きく乖離があります。
まとめ
官公庁・金融・コンサル(シンクタンク)がほとんどを占めている現状ではありますが、最近はNGOやNPOへ進路をとる方に加えて、ベンチャー企業に入社しバリバリ活躍されている方も非常に多くいらっしゃいます。
こうした進路を目指される方はもちろんのこと、
ベンチャー企業への就職を希望される方や、NPO法人でのマネジメントをより多角的な視点から見てみたい方々にとっても非常に有意義な場所になるかと思われます。
以上です。
学習計画書について
今回は東京大学公共政策教育部(以下GrasPP)の院試情報についてです。
悩む方が多い学習計画書の書き方および面接について記載します。
学習計画書とは ーその位置づけー
大学院では主に『研究計画書』を提出させるところが多いのですが、GrasPPでも同様に『学習計画書』なるものの提出が求められます。
この学習計画書について頭を悩ませている方も多いと思われます。特に
「研究計画書と何が違うんだ...??」
というものや
「ほかの人はどういうものを書いているんだ...??」
というご相談をよくお受けしました。
この『学習計画書』の位置づけなのですが、筆者の経験から申し上げると、
面接のネタになるエントリーシートのようなもの
という印象でした。
学習計画書の内容だけで落とされたり、大きく減点されたりといった話はあまり聞いたことがなく、単純に二次の面接においてコミュニケーションをとるための材料の一つとして考慮されると思われます。
実際にどう書くか
実際に私が書いた学習計画書は以下のような構成になっています。
①:将来的なキャリア設計や携わりたい仕事内容について
②:学部時代どのような研究・活動を行ってきたか
③:どのような問題関心を持ったか
④:①と③はどのように関連しているか
⑤:③を大学院でどのように深めていくか(留学希望の有無)
⑥:GrasPPでなくてはならない理由と身に着けたいスキル
⑦:それを①にどのように生かしていくか
基本的に大学院への進学を志望される方については、これらの内容を明確かつ簡潔に、アレンジしながら書くことについては問題ないと思われます。
しかしながらやはり不安も残るかと思われますので、
できれば現在所属している大学の指導教官または社会科学系の教官の方に見てもらいましょう。
※オフィスアワーであれば基本的に歓迎してくれると思われますのが、礼儀やマナーはきっちりしましょうね...!!
学習計画書を書いた後には
学習計画書は面接の対策を行うために、必ずコピーを取っておきましょう。
二次の面接において、GrasPPの面接官の手元にはあなたの学習計画書があります。そこから質問が飛んできます。
素っ頓狂な質問が飛んできたということは同期の間でも聞いたことはないので、基本的に学習計画書に沿った内容の質問が聞かれます。
これは私がしていた対策方法ですが、
友人に自分の学習計画書を見てもらい、気になったポイントについて質問してもらいます。
ex.
Q:なぜ専攻を変えて大学院に進学したいのか
Q:経済研究科でない理由は?
Q:GrasPPで学びたいことを具体的に
Q:現在の研究内容
Q:公務員試験について
Q:なぜGrasPPなのか
Q:関心を持っている政策の問題点とは
Q:海外への関心
他者が気になるポイントは必ず面接官も気になります。そこについてある程度納得感がある答えをはきはきと答えられるように入念な準備を行っておきましょう!
運営方針と自己紹介
本ブログの説明
初めまして。
筆者は学部では人文学徒で、大学院において経済政策を学んでいます。
このブログでは
- 公共政策大学院の院試
- 公共政策大学院で学べる事
- 経済学の勉強について
- 就職活動の体験記
- 経済政策および景気動向に関する学習
を主軸として執筆していきます。
①公共政策大学院の院試
東京大学公共政策教育部の情報が中心となります。
実は当初は経済政策と言われてもあまりピンとこず、さらに学外活動では国際関係系の学生団体に所属していたこともあって、国際関係や法学系で受けようとしてました。
ただ私は非社会科学系だったため
どのように答案を作成すべきなのか
どこが合っていてどこで減点されそうなのか
さらには
基本書からどういう形で答案に吐き出せばいいのか(公務員試験のそれとは違うのか)
といったところが全く見当もつかず、途方に暮れていました。
一方で、過去問などを参照してもらえればわかる通り、経済学については計算問題や正誤説明問題が主体となっており、かなり答えやすい構成になっています。
そこで受験科目を急きょ変更し、経済学での受験を決めました。
私のように、非社会科学系からこうした公共政策大学院に進学を希望する方は、適性などを鑑みて経済学で受験するのがオススメです。
学習計画書や口述試験(面接)については後日追記します。
②公共政策大学院で学べる事
GrasPPの授業や大学院の雰囲気、就職先などについて
ご存知の通り、公共政策大学院では法学と政治学、経済学をまたぐ科目が数多くあります。
詳細についてはリンク先の授業科目をご覧いただければ把握できると思われますが、
英語で開講される科目も数多く、留学生とディスカッションしながら進める授業なども用意されています。ちなみに経済政策コースの方々はコアコースが英語で開講されるため、TOEFL対策には十分時間をかけておいて損はありません...!
また、GrasPPにはSTIG(Science,Technology,and Innovation,Governance)プログラムというものがあり、工学系を専攻する学生と協働したプロジェクトなんかにも参加することができます。
③経済学の勉強について
筆者は経済研究科は受験しておらず、経済学に関する知見については公務員試験レベルにとどまるため、浅学菲才の身でありながら経済学についての記事を執筆するのもお恥ずかしい限りではあるのですが、
経済学の勉強をしていて「これってどういうことだ?」ということが度々あったため、自分の備忘録も兼ねて、公共政策大学院の院試レベルまでの経済学について少しずつ記事を追加していきます。
特に人文学系から目指される方にとっては、数学の復習から勉強をスタートさせるため、適切かつ分かりやすい参考書、また学習のモチベーションを上げる書籍の紹介なども同時に行えればと思います。
④就職活動の体験記
このカテゴリについては、GrasPP全体の状況と、自身の体験談も含めて記事を執筆します。
ちょうど6月1日に面接が解禁され、無事に就職活動を終えることができました。
秋口から就活を開始したのですが、結果的に金融3社、コンサル3社、デベ2社の合計8社からオファーを頂くことができました。
もちろんこれは世間の景気動向に救われた側面が非常に大きいのですが、自身の就活についての自信(面接やGDに関する方法論の確立)や
留学生、友人の就活サポートを行い、確かな実績を重ねてきた経験から、記事としてまとめる価値があると判断しました。
GrasPP全体の就職先については、GrasPPウェブサイトで公表されているものはかなりざっくりとしたものですが、先輩などへのヒヤリングを通じて後日記事としてまとめます。
⑤経済政策および景気動向に関する学習
現在経済政策について学習しているということもあり、日夜ニュースを騒がせている経済政策についての解説に加えて、これからの景気動向についての分析記事を執筆予定です。
いわゆるエコノミスト的な分析になると思うのですが、本ブログでの分析の特徴としては
・就職活動に関連づけた分析を行う
という点です。
特に私自身、将来像と景気動向について分析を重ねつつ就職先を決めたこともあり、こうしたノウハウについて記事としてまとめておき、後輩が就職先を決める判断軸の一つとしてお役に立てればと思っています。
特に理系の方々の就活相談では、
日本のメーカーが凋落していく中で、
どういった企業が今後業績を伸ばしていきそうなのかを
経済学や政府統計データから分析する方法論に関するニーズが小さくないと感じました。
私の学習成果のアウトプットが、こうした悩んでいる方々の意思決定に資することができれば望外の喜びです。
現在の段階では定期的に毎週日曜日の更新を予定しています。
今後ともよろしくお願いします。
経済猿